相模のAさん、E-39 528
近所のAさん、E-39 525
ヘッドG/K交換と、エンジン分解、交換編
今回の修理依頼のお客様は、双方とも水漏れ、その内一台は、
水漏れが原因で、オーバーヒートでエンジンが止まってしまい、
再始動できない状態でした。
私、思うのですがM52エンジンのほとんどが、6番シリンダーの辺りのヘッドG/Kから、
多かれ少なかれ水漏れしてると思われます。
この事実を知らないと、水漏れが微量の場合は、整備工場でも気づかず見過ごしてしまってる
ケースが多いみたいです。
でも、今からご紹介する最悪のケースにもなり得る場合もあるので、
皆さん、ご注意を!!
最初は、相模のAさん528iです。
エンジン周辺の補機類や、ヘッドカーバー、とにかく
周辺の物は外しましょう。
カムスプロケと、VANOS機構の一部などです。
このシリンダーヘッドは、水漏れを早期発見したので、
オーバーヒートなどしてなく、歪などの問題もありませんでした。
ブロック側もシリンダー内部も問題なし。
但し、カーボンがピストンと、ヘッド側に多く付着
してたので、清掃してあげました。
その後オーナーさんの話では、清掃が利いたのか、
エンジンの回転が軽くなったと言う話です。
さて、組み付けです。
ヘッドボルトは、必ず新品の物に変えましょう。
何故かと言うとBMWは、ヘッドボルト締め付けの際に、
トルクレンチで締めてから、アングルゲージを使いボルトが
ねじ切れちゃうんじゃないかと思うくらい、締め付けるので、一度使用したヘッドボルトは、
かなりのびきってしまってます。
これをケチると、せっかくエンジンを組んでも、また水漏れをおこしてしまったりするので、
必ず交換です。
528(白)と525(クロ)の二台を同時にエンジンを開けたため、
かなり部品が散乱し、ちらかってますね(笑)
近所のAさん、525iです。
こちらの車は、6番シリンダー付近のヘッドG/Kからある日突然
一揆に水漏れ、オーバーヒートでエンジン停止してしまった車両です。
ヘッドを開けて、まずは、一番〜六番のシリンダー内部全てに傷がはいってました。
嫌な予感は的中し、ブロックを測定したらなんと、歪が・・・
ヘッドも、もちろん歪んでました。
ですが、面研でなんとか助かればと思い、出してみましたが
なんと修正不可能状態まで歪んでると返答がきました・・・
この段階で、このエンジンは修理不可能となり、
リビルトエンジンと載せ変えとなりましたが、
リビルトエンジンを貰うには、旧エンジンを組んだ状態での
返却が条件のため、ばらした部品を又、組まなくてはならず
泣けてきました・・・
「BMWさん、どうせまた旧エンジンは、分解するんだから、
組んで返さなくてもいいじゃん!!」
と、24個もあるバルブを組んでいて切実に思いました(泣)
新しいエンジンが来ました!!
左、補機類を移植後の新しいエンジン、
右、泣く泣く組んだ旧エンジン(笑)
いよいよ、新しいエンジンを載せる所!!
エンジンも無事載り、ミッションともドッキングできました。
後は、周りのカバーや、エアクリーナーBOX、ラジエター、
ファンなど取り付けて、ATF、エンジンOIL、冷却水を入れ
細かな調整、試運転などして完成です。
楽しかったけど、ちょっと疲れたなぁー(笑)